【集計期間】
・全国:2023年2月1日~2023年7月31日
・浜名湖:2020年8月1日~2023年7月31日
「ヴィーナスシリーズ第10戦 マンスリーBOATRACE杯」は8月29日(火)から9月3日(日)までの開催。浜名湖水面は百花繚乱の様相を呈します。
中軸は長嶋万記・三浦永理・浜田亜理沙・大山千広・土屋南の5選手。優勝戦線を構成するメンバーとなることでしょう。
その絶対軸は今年、下関W優勝戦(2月)・蒲郡レディースオールスター(2月)・三国一般戦(3月)・住之江オールレディース(4月)・びわこ一般戦(5月)・江戸川オールレディース(6月)で優勝している長嶋万記選手。5月以降の勝率も7.32と参戦メンバートップをマークしています。「バードアイ」、つまり全体を俯瞰する広い視野でレース展開を見切ります。浜名湖V5、今年V7を目指すヴィーナスシリーズとなります。
また、浜田亜理沙選手も、大村W優勝戦(3月)・蒲郡オールレディース(3月)・平和島ヴィーナスシリーズ(4月)・大村オールレディース(7月)で優勝するなど、2023年は勢いがあります。迷いのないハンドルワークで広い浜名湖水面を自在に滑走する可能性大です。
さらに、人気トップレーサーの大山千広選手にとってはリズムアップを期すシリーズ。フライング禍を克服し、4月以来の栄冠を目指します。
長嶋万記と並び静岡の中軸として期待される三浦永理選手は近況好調。来期適用勝率も7.15をマークしています。かつて、「テクニカルエリー」と称された操縦技術は健在。混戦を制します。
そして、浜名湖といえば土屋南選手。2022年2月の浜名湖ヴィーナスシリーズは、4コースから逆転Vでファンの感動を集めました。普段は明るく朗らかな女性が勝負に徹する時、鬼気迫るほどの闘争心を感じることができます。
そのほか…
地元浜名湖は通算V4。強気で攻めるスタイルが共感を呼ぶ池田浩美選手
直前の鳴門ヴィーナスシリーズで優勝。経験を重ねてなお若々しい岩崎芳美選手
切れ味鋭いスリット攻勢で展開の主導権を握るスピードレーサー・中村かなえ選手
今期の平均スタートタイミングはコンマ10。発順も2.1を誇る野田部宏子選手
5000番台の女子レーサーの中で早くも頭角を現している埼玉支部の平川香織選手
など、メンバーは多彩です。8月29日(火)から9月3日(日)までの開催の「ヴィーナスシリーズ第10戦 マンスリーBOATRACE杯」にご期待ください。
(文中データは8月23日時点のものです)
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晩夏の浜名湖傾向
猛暑に発令!
モーターパワーダウン注意報連日うだるような暑さが続いている日本列島。人もバテるが、モーターもバテる。特に気温が30度を超えてくると、モーターパワーがダウンし、明らかに伸びなくなってしまう。春先には伸びで目立っていたモーターが、夏場には全くその威力を発揮せず、気温が下がる秋以降にまたパワーが復活するケースが多い。現在使用モーターでも、徳増秀樹が完全優勝を含むV2を果たし、5節連続優出と6月まで猛烈パワーを誇った20号機も下野京香〜楠原翔太でいいところなし。平均展示タイム順位が1.5とトップタイムを連発していた38号機も、明らかに目立たなくなった。このように、パワーダウンすると、出足より伸びの方が落ち幅が大きく、その結果、伸びて一気にまくるというシーンが減る。レースに大きな影響を与える風は、風速が重要。台風などが来なければ、基本的に穏やかで、風速2m以下の時はイン信頼度が約64%まで上がる。3〜4mで約50%、5m以上になると40%を下回るのが、夏の浜名湖の傾向だ。
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浜名湖女子戦の傾向
風が吹けば2・3コース勝負!
ダッシュ勢は舟券絡みまで浜名湖では7月に「GⅢオールレディース ハマナ娘クルーカップ」を開催したばかり。前回は6コースから01のスタート決めた淺田千亜希が優勝。3連単は11万9290円の特大波乱となった。その節のデータをまとめると、イン1着率は42.3%。全国の女子戦平均が約50%なので、比較すると随分低かったことがわかる。その原因は風が強かったこと。全体の86%のレースで4m以上の強い風が吹き、インが苦しんだ。その分、2コースが21.3%、3コースが17.7%まで1着率を伸ばした。風向きのほとんどが向かい風だったので、まくりやまくり差しなど自力系の戦法が台頭した。差しがセオリーの2コースでも一気のまくりが決まるシーンがしばしばあった。一方でダッシュ勢は軒並み苦戦を強いられた。前述したように優勝戦は大外から一発が決まったものの、予選道中はからっきし。これはこの節に限らず、女子戦全体に言えることだが、スタートでアドバンテージを取っても、内側に進むことなく、まっすぐ走る選手が非常に多い。これによって2・3着は食い込めるものの、1着は全く期待できない。このレース傾向を加味して、スロー勢を頭に据えて、ダッシュ勢の2・3着で好配当を狙うというのがセオリーになりつつある。
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ヴィーナスシリーズ注目選手
4765 野田部宏子(福岡)
数年前までは点数が足りず、ボートレーサーとしてのキャリアが危ぶまれる時期もあったが、コツコツ成長し、そのゾーンを脱した。5月からの新期勝率は5点台中盤。キャリアハイの成績となることは確実で、ついにA2級初昇格が視野に入るところまで数字を上げている。一番の成長ポイントはスタート。この2年ほどは、0.11〜0.13という女子どころか、全選手でもトップクラスの平均スタートタイミングを誇り、この5月以降は0.10という異次元のゾーンに突入した。この戦法はスタート事故(フライング)の危険と隣り合わせだが、Fを持ったとしてもスタート勝負を緩める気配はない。今回の浜名湖でもスタートから見せ場をたっぷり作ってくれるだろう。5019 柴田百恵(静岡)
121期生として17歳でプロデビューし、最年少レーサーとしてしばらく注目を集め、2期目に初勝利の水神祭をマーク。最近は勝率4点台で止まっていたが、5月からの新期はブレイクの兆しを見せている。勝率は5.69(8月7日時点)を記録し、初の5点台、それもA2級昇格位置にいる。期始めの5月、蒲郡ヴィーナスシリーズでデビュー初優出(4着)を決めると、その後も好リズムに乗り、勝率をアップさせている。これまでと比較して1着の本数も増えているが、それ以上に目立つのが2着率の高さ(2着率25.9%)。スタートが早くない分、さばいて舟券に絡む傾向。現在はB1級だが、その分舟券的うまみは高い。地元のヴィーナスシリーズで、初A級昇格を決定づける走りに期待したい。 -
マクール展望記事
レディースチャンピオンが終了し、女子賞金戦線のヤマ場を越えた。賞金1位はLCで優勝した遠藤エミに譲ったが、賞金2位となった長嶋万記の絶好調ぶりは変わらない。蒲郡レディースオールスターを優勝してからというもの、全国各地で優出ラッシュ。オーシャンカップでは自身2度目のSG予選突破を果たし、LCでも準優進出。今回は地元のヴィーナスシリーズということで、主役は譲らない。
同県同期の三浦永理も本来の調子を取り戻しつつある。近年は2・3着が多い成績だったが、近況は1着型に戻っている。5月の若松、蒲郡、7月の常滑で優勝し、パワフルな走りが続いている。長嶋と共にシリーズをけん引しそうだ。
7月に行われた当地のオールレディース、優勝戦1号艇は浜田亜理沙だった。結果は6コースからスタート01まで踏み込んだ淺田千亜希が約2年半ぶりの優勝。浜田は3着だった。前回のリベンジを狙うには絶好の機会。今年はV4。来年、地元の戸田で開催されるSGボートレースクラシック出場が視野に入っている。ここで優勝すれば、SG初出場へ大きく前進する。
このほか、近況好調な岩崎芳美、スタート早い土屋南、地力上位の大山千広など、主役候補が多く、非常に楽しみなシリーズだ。